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予防接種

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VPDを知って、子どもを守ろう!

予防接種には大きく『定期接種』と『任意接種』があります。法律により定められ特に予防すべき疾患に関して『定期予防接種』に組み込まれており、市町村の助成の下、その接種時期や回数が推奨されています。『任意予防接種』はその言葉通り任意での接種となり自費での接種となります(市町村に応じた一部助成あり)。

また、予防接種としてうつワクチンの種類には、生ワクチンと不活化ワクチンがあり、前者は毒性を弱めたウイルス自体を、後者はウイルスや菌の体の一部を接種します。不活化ワクチンでは接種後の感染の危険性はありませんが免疫記憶効果は生ワクチンに劣るため、その分接種回数は多くなります。

定期接種Periodical inoculation

インフルエンザ菌b型(Hib)ワクチン

対象 生後2か月から開始できます。3~8週間隔で3回接種して。1歳を超えた頃に4回目を追加接種して完了です(3回目と4回目の間は7-~13か月あけることが推奨されています)。5歳未満は公費負担(無料)です。
疾患の説明 乳幼児期のHibによる細菌性髄膜炎が本予防接種開始後激減しました(*‘∀‘)

肺炎球菌ワクチン

対象 生後2ヶ月から開始。3~8週間隔で3回接種します。2か月以上あけて、標準的には1歳から1歳3か月で4回目を接種して完了です。5歳未満は公費(無料)です。
2024年4月から15価のワクチンが導入されますが、接種スケジュールに変更はありません。また、現在のワクチンと効果・安全性の面で遜色はなく、追加の2種類の血清型に対する抗体価の上昇に寄与します。
同ワクチンに関しては、13価のワクチンの接種を開始されている方でも途中で変更可能です。
疾患の説明 乳幼児期に生じうる肺炎球菌による重篤な感染症を予防する目的で行われています。Hibワクチンと同様、肺炎球菌による細菌性髄膜炎が本予防接種開始後激減しました(*‘∀‘)

4種混合ワクチン

対象 生後3か月から開始。3~8週間隔で3回接種します。3回目終了後6か月以上あけて、標準的には1年から1年半後に4回目を追加します。7歳6か月までに完了しましょう(‘ω’)ノ 生後2か月から開始(令和5年4月から)。3~8週間隔で3回接種します。3回目終了後6か月以上あけて、標準的には1年から1年半後に4回目を追加します。7歳6か月までに完了しましょう(‘ω’)ノ
疾患の説明 4種とは、ジフテリア、百日咳、破傷風、ポリオを指します。ジフテリアは喉頭炎や心筋炎といった重篤な合併症で、ポリオは急性灰白髄炎という麻痺を残す神経疾患を起こすことで非常に重要な感染症でしたが、予防接種が行われるようになり患者さんはほぼいなくなりました。百日咳は乳児では重症の咳や呼吸困難で命に関わることもあります。破傷風は怪我をした傷口から菌が入り、痙攣や麻痺をきたす死亡率の高い疾患です。

5種混合ワクチン

対象 生後2ヶ月から開始。3~8週間隔で3回接種します。3回目終了から6-13か月後に4回目を追加します。
従来の4種混合+Hibワクチンと比較しても、効果・安全性の面で遜色なく、接種本数を減らすことで本人の負担軽減が期待できます。
疾患の説明 5種とは、ジフテリア、百日咳、破傷風、ポリオの従来の4種混合にHib(インフルエンザ菌b型)を加えたものを指します。ジフテリアは喉頭炎や心筋炎といった重篤な合併症で、ポリオは急性灰白髄炎という麻痺を残す神経疾患を起こすことで非常に重要な感染症でしたが、予防接種が行われるようになり患者さんはほぼいなくなりました。百日咳は乳児では重症の咳や呼吸困難で命に関わることもあります。破傷風は怪我をした傷口から菌が入り、痙攣や麻痺をきたす死亡率の高い疾患です。Hibに関しては、Hibワクチンの項目参照下さい。

2種混合ワクチン

対象    11歳以上13歳未満に1回接種します。4種混合に入っているジフテリアと破傷風を追加免疫として接種します。ジフテリアの毒素は接種回数が増すと局所反応等の副反応が強くでる可能性があるため、0.1mlという少量で接種します。

BCGワクチン

対象 1歳までに1回のみ接種します。生ワクチンです。接種部位は通常左上腕で、同部に湿疹が目立つ場合はそれを良くしてから接種します。接種後1か月頃から起こる接種部位の皮膚の変化は正常反応ですので清潔を保つだけで改善します。接種後早期に出現したり、2か月以上持続する場合等は異常な反応なことがありますのでご相談ください。時々、接種した腋の下のリンパ節が腫れることがありますが自然軽快することが多いです。
疾患の説明 乳幼児期の重症な全身性結核を主に予防します。

麻疹・風疹(MR)ワクチン

対象 1歳から2歳に初回接種をします。2期は小学校入学前の1年間に行います。
疾患の説明 麻疹は予防接種により以前と比べ大分患者さんがすくなくなりました。発症すると経過も長くぐったりもするため、しっかりとした予防が必要です。また、稀ではありますが罹患して数年後に亜急性硬化性全脳炎という重篤な疾患を発症することがあります。風疹は麻疹に比べて臨床症状は軽度ですが、妊婦さんが罹患すると赤ちゃんに先天性風疹症候群という病気を引き起こすことがあるため予防が重要です。

水痘(水ぼうそう)ワクチン

対象 1歳から3歳までに2回接種をします。2回目は初回から3か月以上は少なくとも開ける必要性があります。
疾患の説明 かなり伝染力の強いウイルスで、免疫のない方が罹患児と接触すると高率で発症します。また、予防接種したにも関わらず水痘に罹ってしまうことが20%前後でみられていましたが、2回接種法が導入され今後その割合も減っていくことが予想されています。

日本脳炎ワクチン

対象 1期は生後6か月から7歳半になるまで接種可能です。標準的には3歳で2回(1~4週間隔)、その後に6か月以上あけて4歳頃に1期追加接種します。9~12歳に第2期の接種を行います。
疾患の説明 コガタアカイエカとう蚊が媒介する日本脳炎ウイルスの感染で、重篤な脳炎を引き起こします。元々、感染しても発症率は低いのですが、一度発症すると特別な治療法がなく、死亡率も高く重篤な疾患です(゚Д゚;)

子宮頸がんワクチン

対象 標準的には中学1年生。計3回接種します(但し、令和5年4月に定期接種ワクチンとして承認を受けた9価ワクチンの場合、年齢により2回接種を推奨している自治体もあります。各自治体にご確認下さいませ)。詳細は以下の厚生労働省HPの「ヒトパピローマウイルス感染症~子宮頸がん(子宮けいがん)とHPVワクチン~」 をご参照下さい。

厚生労働省HPはこちら

疾患の説明 HPV(ヒトパピローマウイルス)が持続感染を起こすことで子宮頸がんを引き起こすことが分かっています。実際、HPV感染→持続感染→子宮頸がんの経過をたどるのはHPV感染者の一部ですが、HPV感染者が非常に多いことを考慮すれば、子宮頸がんの予防効果としてワクチン接種には意義があると考えられています。ただ、一方で、ワクチン接種後に稀に出現する広範な疼痛・運動障害に関する報告があり、その因果関係は不明なままです。
しかしながら、HPVワクチンが定期接種の対象であることに変わりはなく、接種を希望される方に対しては接種を行っていただいています。

B型肝炎ワクチン

対象 生後2か月から接種できます。初回から4週以上あけて2回目、さらに20~24週あけて3回目が標準的な方法です。
疾患の説明 代表的な肝炎を起こすウイルスです。感染がつづくと慢性肝炎、肝硬変や肝がんになることもあります。

ロタウイルスワクチン

対象 ロタリックス(1価)は生後24週までに2回、ロタテック(5価)は生後32週までに3回、生ワクチンを飲みます。生後6週から開始でき、初回は14週までに始めて、4週以上あけます。
疾患の説明 ロタウイルスは乳児の胃腸炎を起こす代表的なウイルスです。以前は乳幼児でロタウイルス腸炎に罹患すると嘔吐や下痢で脱水になって入院するケースが多かったのですが、ワクチン接種が開始され激減しました。

任意接種Any inoculation

ムンプスウイルスワクチン(おたふく風邪)

対象 1歳から接種できます。MRワクチンと同様に1歳頃と5~6歳の2回接種が薦められています。
疾患の説明 いわゆる、おたふく風邪です。稀ではありますが、髄膜炎や難聴、精巣炎など重い合併症が起こることもあります。

インフルエンザワクチン

対象 6か月以上から接種可能です。3歳未満とそれ以上で接種量が異なります。また、13歳未満は基本2回、それ以上では1回接種が原則ですが、13歳以上の方も2回接種してはダメということはありません。
疾患の説明 言わずと知れた、インフルエンザウイルスによる感染症です。接種しても罹患してしまうこともありますが(6歳未満の小児を対象とした2015/16シーズンの研究では、発病防止に対するインフルエンザワクチンの有効率は60%と報告されています)、重症化を予防してくれるという重要な効果もあります。